2018年度の活動レポートです。(文責:加飾技術研究会事務局)
第10回定時総会・第27回研究会
開催日:2018年5月23日開催 / 場所:中小企業会館(東京都中央区)
第10回総会では、昨年度の活動実績と次期計画を報告しました。
今後の取り組み(研究会の充実、広報活動、組織改編、法人化)の計画案が焦点となりました。
参加者からは活発な意見をいただき、これを活動に活かしていきたいと考えます。
総会議長を務める前田会長。会員の増加により、今後の活動の活発化が期待されます。
価値創造と加飾技術-加飾技術による価値創造の試案-
平野副会長の講演では、加飾による価値創造についてのお話をいただきました。
日本のGDP・所得が伸びない中、いかに利益を出すか。
製品ではなく商品として、欲しい!を刺激することが大切となります。
「欲しい」は、「依存」に、そして「中毒」に深化します。
欲しいを刺激されたとき、人の脳には脳内麻薬が分泌されています。
加飾を通じて、いかにそのような状態を生み出せるか。
様々な事例を交えて、加飾による価値創造の考え方をご紹介いただきました。
企業紹介(株式会社三共プラス)
三共プラス様のフィルム・ソリューションサービスのご紹介をいただきました。
フィルム加工技術を生かして、自動車加飾、家電、OA、食器類、アミューズメント、スポーツ用品まで、様々な分野のお客様のご要望やご相談に、新しいアイデアで対応をされています。
製品の高機能化を図りたい、工程の合理化を図りたい、設計だけではなく材料の供給も含めて相談したい、といったご要望に対応されます。
株式会社 三共プラス
・高機能プラスチックフィルムの販売・加工
・サイングラフィック関連資材・システム機器の販売
・看板・サインの企画製作・販売
・セキュリティ関連機器の販売
・家庭用電気製品の販売
URL: http://sankyo-plus.co.jp/
懇親会は50名以上の参加者で大変盛り上がりました。
第28回例会
2018年9月25日に東京都北区 北とぴあにて、第28回例会を開催しました。
・講演1:「熱成形におけるプラスチックシートの加飾技術」
(株式会社浅野研究所 溝口憲一 様)
・講演2:「薄膜技術の原理から加飾技術への応用まで」
(加飾技術研究会理事/技術士事務所ソメイテック 大薗剣吾 様)
・企業紹介:「千代田インテグレ株式会社様」
熱成形におけるプラスチックシートの加飾技術
浅野研究所 溝口様より、熱成形におけるプラスチックシートの加飾技術についての解説をいただきました。
浅野研究所は1953年に愛知県で創業され、様々な熱成形機器の製造・販売をされています。
計量食品容器から、家電、自動車部品、建材などに活用されています。
海外加工機も取り扱われ、1990年には米国GE社の優秀企業賞を受賞するなど世界的に活躍されています。
熱成形とは、熱可塑性プラスチックの加工技術の一つである押出成形から発展し、
シート(フィルム)を2次加工する代表的な技術です。
真空成形、圧空成形、プレス成形、減圧被覆成形など様々な熱成形技術の原理をわかりやすく解説いただきました。
熱成形でカギとなる温度を精緻にコントロールする卓越した技術を有します。
品質の重要要素として、機械・金型、材料、成形条件があり、それらを一体とすることで高付加価値・高生産を実現します。
浅野研究所R&Dセンターで、 加飾成形の他、スーパーエンプラ、CFRTP等、
あらゆるテストに対応されますので、お問合せはお気軽にお願いします。(0561-38-6827 企画開発部 浅野様)
株式会社浅野研究所 R&Dセンター
・ 高速連続真空圧空成形機/FLC + 連続トリミング機/PLS
・ 多機能真空圧空成形機/FKS
・ 熱板式減圧被覆成形機/TFH
URL: http://www.asano-lab.co.jp/
薄膜技術の原理から加飾技術への応用まで
技術士事務所ソメイテック大薗様より、薄膜技術のキホンのお話をいただきました。
印刷会社で電子部品や半導体向けの薄膜の開発を経験され、2017年から技術士事務所として
企業様の技術開発支援をされています。
薄膜の代表例としてスパッタリングの成膜原理を、動画を活用してわかりやすく紹介されました。
薄膜技術は、電子部品などのデバイスでよく使われる技術ですが、次第に加飾技術への展開が進んでいるそうです。
薄膜によるグラス加飾、自動車用ガラスの樹脂化の表面保護など、先端の事例も紹介されました。
薄膜技術でのご相談はお気軽にお申し付けくださいとの事です。
(oozono@somei-tc.com 大薗様)
技術士事務所ソメイテック https://somei-tc.com/
アイアール技術者教育研究所 https://engineer-education.com/
企業紹介(千代田インテグレ株式会社様)
千代田インテグレ今井様より、会社ご紹介をいただきました。
1955年にフェルト生地の二次加工メーカーとして創業され、
柔らかい素材を加工する技術とネットワークを築き上げれられました。
現在はビジネスユニット戦略によるグローバルな販売体制を構築し、OA、通信、自動車、電子部品など、
様々な用途で用いられる機能性製品を展開されています。環境配慮と高機能を兼ね備えた開発製品を提供されています。
トピックとして、CASIO社の2.5Dプリントシステム「Mofrel」をご紹介されました。
シートそのものを立体的に変化させて形状を実現するという世界でも初めての新しい電磁波造形のプリントシステムです。
千代田インテグレ様にて試作対応、デモ機の見学も承られるそうですので、ご興味のある方はご連絡ください。
048-936-7602(開発センター 市場開発室 今井様)
千代田インテグレ株式会社
・OA機器、AV機器、通信機器、自動車関連など各製品の機構部品、機能部品の製造販売
URL: http://www.chiyoda-i.co.jp/
懇親会は、同会場で立食形式で行いました。
60名以上の参加者となり、懇親会は大変盛り上がりました。
第29回例会
開催日:2018年11月21日 / 場所:iビル 大会議室(愛知県一宮市)
開催概要
・講演1:「自動車インテリアデザインと加飾技術の役割」
(静岡文化芸術大学 服部守悦 様)
・講演2:「射出成形による加飾成形法」
(株式会社PPIテクノリサーチ 長岡猛 様)
・企業紹介:「スペースシステムズ株式会社」
(スペースシステムズ株式会社 玉水隆樹 様)
自動車インテリアデザインと加飾技術の役割
静岡文化芸術大学デザイン学部教授 服部様より、自動車のインテリアデザインと加飾技術についてのご講演をいただきました。
服部様はSUZUKIのハスラーのデザインに関わられています。
自動車デザインのプロセスについて、またインテリアデザインの構成要素と求められるモノについてご解説頂きました。
その中で、加飾が果たすの役割についてご説明いただきました。
また昨今のモーターショーにみるトレンド、そして今後の自動車運転時代における加飾についての解説をいただきました。自動車の普遍的価値とは?この視点から考えると、加飾の守備範囲が広がり、その役割が重要になっていくという事になります。
静岡文化芸術大学
URL: https://www.suac.ac.jp/
射出成形による加飾成形法
株式会社PPIテクノリサーチの長岡様から、射出成形による加飾成形法の解説をいただきました。
加飾技術の概要から、射出・プレス成形による加飾成形、インサート成形、表皮貼合成形についてわかりやすく解説頂きました。
また金型技術による加飾について、インモールドコーティング、インモールドペインティング、ヒート&クール成形、ハイブリッド成形まで、様々な技術について詳しくご説明をいただきました。
サンプルのご紹介もあり、様々な技術に触れることができました。
また最近の研究事例として射出成形の高分散スクリュなどのご紹介もありました。
長岡様は長岡国際技術士事務所にてプラスチックの調査と開発、株式会社PPIテクノリサーチにて対外支援をされるなど、プラスチック・コンポジットに関する「よろず相談」所としてご活躍されています。
ご質問やご相談はご連絡下さい。
株式会社PPIテクノリサーチ 052-339-2010
長岡国際技術士事務所 090-2245-8056
・プラスチックよろず相談(樹脂、成形加工、労働安全など)
企業紹介(スペースシステムズ株式会社様)
スペースシステムズ様から会社ご紹介をいただきました。
スペースシステムズ様はパッド及びスクリーン印刷機材の開発、製造、販売に携わられています。
部品や製品への印刷方法として、直接印刷する方法(印刷法)と、フィルムなどへ印刷して転写する方法(熱転写、インモールド、箔押、ホットスタンプ)、貼り合わせる方法(真空、圧空、TOM 等)などがあります。様々な印刷技術のご紹介をいただきました。
印刷においては、インクも重要です。印刷方法により、インク粘度や組成が異なります。
スペースシステムズ様で販売台数の多いパッド印刷機について、動画でご紹介いただきました。
マーキング・加飾とプラスアルファとして、環境保全、自動化、ターンキーを押し進める、スペースシステムズ様の印刷システムにご興味のある方は、ご連絡ください。
スペースシステムズ株式会社
・パッド及びスクリーン印刷機材の開発、製造、販売
商号の由来:お客様に特別な機械を提供(Special)、技術・業界で世界一になる(Ace)、機械のみでなくトータルシステムで貢献する(SYESTEMS)
電話: 052-525-1811
URL: https://www.spacesystems.co.jp/
懇親会は、同会場で立食形式で行いました。
80名以上の参加者となり、過去最高人数での懇親会は大変盛り上がりました。
三次元表面加飾技術展2019共同出展
2019年1月31日から3日間、東京ビッグサイトで開催された三次元表面加飾技術展2019にて会員様の合同出展を行いました。
出展ブース外観
加飾技術研究会 展示サンプル/RocTool様精密成形品/村田金箔様加飾箔
千代田インテグレ様 液晶パネルのスモーク着色/金属調加飾
精工技研様 加飾成形品/微細転写用スタンパ
日研工業様 真空成形・3Dラミネート
星製作所様 和紙インサート成形/本杢インサート成形
アイカ工業様 OMD(アウトモールド加飾)/特殊アクリルフィルム
日本ポリプロ様 外観向上(タルク複合)PP/塗装・着色樹脂リサイクル
ロンビック様 PP高彩色マスターバッチ/メタリック・パール調着色
会期を通じて、300名以上の来場(名刺交換)と多数の技術相談や問い合わせをいただき、活況のうちに幕を閉じました。
第30回例会
2019年2月12日の加飾技術研究会 第30回例会を開催しました。
桝井副会長より、2019年1月31日~2月1日に開催された3次元表面加飾技術展(コンバーティングテクノロジー総合展)の報告をいただきました。加飾技術研究会の会員合同出展の様子、各社の出展状況などを交えて、開催から1週間強という短期間にも拘らず、大変詳しい解説をいただきました。
スクリーン印刷・超圧空成形メーカーである株式会社名栄社様より「超高圧成形機を使用した加飾部品製造の可能性」と題して、会社と技術のご紹介をいただきました。名栄社様は愛知県に拠点を構え、製版、スクリーン印刷、高圧成形と、製品と技術を発展されています。
最後に、ピクセルエー山本様より「テクスチャーデザイン最前線2019」の御講演をいただきました。海外のモーターショーや家電見本市などの、最新テクスチャ―デザインの状況を、膨大な写真と動画を交えてご紹介いただきました。
講演後、同会場で懇親会を開催しました。参加者同士の技術交流が活発に行われました。
次回は、6月に総会・例会を東京で開催予定です。